定年退職後の健康保険、どうするのが正解?

黒田尚子

2017.10.24.(火)

番外編!?第4の選択肢「特例退職被保険者になる」

実は、これら3つの選択肢以外にもう一つ方法があり、これが「特例退職被保険者制度」を利用する選択肢です。

この制度は、老齢厚生年金の受給権者で健康保険組合に20年(40歳以降は10年)以上加入実績がある人が、在職中の健康保険に加入できるというもの。

任意継続が2年間しか加入できないのに対し、この制度は、後期高齢者医療制度に加入するまでの間(74歳まで)加入でき、現役時代と同様の保障が受けられます。

ただし、この制度は、厚生労働大臣の認可を受けた「特定健康保険組合」限定のもの。設けているのは、キャノン、パナソニック、キリンビール、テレビ朝日などの大手企業のみで、全国で60程度しか存在しません(厚生労働省、平成24年度末時点)。

保険料は本人の年収や扶養者の有無に関係なく、現役の被保険者の収入によって決まるしくみです。保険料アップの可能性もありますが、健康保険組合が独自に行うさまざまなサービスの恩恵を受けられるのですから、高齢になって医療費負担が重くなる世代にとって、非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。

結局どれを選ぶのが正解?

さて、それでは、3つの選択肢のうち、どれを選ぶのが正解なのでしょうか?(特例退職被保険者制度がある方はそちらを優先的に選ぶとして……)

いずれの場合も医療費の自己負担割合は3割ですので、ポイントはやはり「保険料」です。

となると、選択肢③「家族の被扶養者になる」が最有力候補となりますが、これは収入要件を満たせば、の話です。

現実的な方法としては、退職前に選択肢①「国民健康保険の被保険者になる」と選択肢②「健康保険の任意継続被保険者になる」の保険料を比較し、割安な方を選択します。

一般的には、定年退職後1年間は、国民健康保険に加入するよりも任意継続被保険者の方が保険料の負担が少ないケースがほとんどです。とくに、扶養家族などが多ければ、国民健康保険の保険料は高くなりがち。そして、収入が少なくなった時点で国民健康保険に切り替えるという人が多いようです。

ただし、国民健康保険には、災害・失業・低所得などによって、国民健康保険料の納付が困難な場合、申請により保険料を減額・減免できる制度が設けられています。これに適用されれば、国民健康保険料を安くすることも可能です。一方、任意継続には、このような制度はありません。

いずれにせよ、どれを選ぶのかベストかはケースバイケース。
各市区町村の担当窓口では、身分証明書と前年の源泉徴収票、もしくは市県民税・特別徴収税額の通知書を持っていけば、保険料を試算してくれます。退職前に、確認してみることをお勧めします。

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黒田尚子

ファイナンシャル・プランナー/消費生活専門相談員資格/乳がん体験者コーディネーター。1998年FPとして独立。2009年末に乳がん告知を受け、「がんとお金の本」(Bkc)を上梓。自らの体験から、がんなど病気に対するおカネ・ココロ・カラダの備えの重要性を訴える活動を行うほか、老後・介護・消費者問題にも注力している。著書に「50代からのお金のはなし」(プレジデント社)、「がんとわたしノート」(Bkc)、「がんとお金の真実」(セールス手帖社)など多数。黒田尚子FP事務所 http://www.naoko-kuroda.com/

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