外貨投資・FX:日本だけが遅れを取りそうです

山根亜希子

2017.08.07.(月)

ユーロ急騰の裏には秋以降のテーパリング

4月の中旬以降、ユーロがどんどん上昇する動きが続きました。
フランス大統領選でマクロン氏が勝利したことで、直後はマクロン・ラリーと呼ばれたりしましたがユーロ急騰は選挙だけが原因ではありません。

もちろん、大統領選の前までは政治不安からユーロが売られ、かなりのユーロ売りのポジションが積み上がっていたと思います。

もし、英国だけでなくフランスもEUを離脱するようなことになればEUは崩壊し、通貨ユーロもどうなってしまうのかという不安からユーロを買う動きは止まっていました。

しかし、ここにきて中長期的にもユーロを買い戻す動きが活発になっています。
それは、金融政策の変更が背景にあります。

為替をやっている人は知っていると思いますが金融緩和をする国の通貨は売られて安くなり、金融引き締めをする国の通貨は買われて高くなるという動きが出ます。

今のところ先進国で金融緩和をやめる方向に真っ先に動き始めているのは米国です。
すでに利上げも行っています。

欧州の金融緩和はまだ続くと思われていたのですがECB(欧州中央銀行)はそろそろ金融緩和縮小(テーパリング)へ動くと春以降、何度も発言しています。
以前の記事でもテーパリングについて触れました。

ドイツなど一部の国から早期の金融正常化への声が出ているようです。
米国に追随して、今の間に何とか金融政策を正常に戻したいと考えているようです。

次の危機が来た時に今のままでは柔軟な金融政策が取れないという焦りもあるのかもしれません。

9月以降、本格的にテーパリングに動き始める可能性が高く、中長期的にもユーロが上昇していく準備が整ってきました。

新興国VS先進国という構図になりやすい

過去のデータを見るとおもしろい事に気づきます。
それは、米国やドイツが金融政策を引き締め方向へ変更した直後に新興国危機が起こっているという事実です。

なぜ、欧米の金融政策が新興国に打撃を与えるのかというとマネーが逆流を起こして、先進国へ戻り始める合図となるからです。

米国の金利が低く、新興国の金利が高いとお金はドルから新興国通貨へと流れますが米国の金利がどんどん上がっていけば逆の動きになって、資金は新興国から米国へ流れ始めます。

欧州に対しても同じような動きが出ます。
このためマネーの流れを追いかけると新興国経済がいい時は先進国がダメ先進国が回復してくれば新興国から資金が逃げ出すという構図になってくるのです。

今回は、米国も欧州も勢いよく金利をどんどん上げたり、金融引き締めを厳しくするということはなさそうなので、新興国経済に与える打撃もそれほど心配しなくてもいいかもしれませんが過去のマーケットの動きは知っておいて損はありません。

時々、過去のチャートを眺めながら何が起こった時にトレンド転換が起こったかを確認するという習慣はつけておいた方がいいですね。

山根亜希子

ファイナンシャルアカデミー認定講師。「FX・外貨投資スクール」で教壇に立つ。1973年大阪生まれ。京都工芸繊維大学繊維学部高分子学科卒。サイエンスライターとして6年間東京勤務。文部省・科学技術庁(現文部科学省)担当科学技術庁の記者クラブのメンバーとして、科学技術関連の記事の執筆などを行う。主な取材内容は、国公立・私立大学などの研究室で行われている先端研究。その後大阪に戻り、失業中にFX取引開始。現在、フリーライターをしながら個人投資家としてFXを楽しんでいる。趣味はアロマテラピーと海外旅行。

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