外貨投資・FX:2017年後半のドル/円相場は

田中和紀

2017.07.19.(水)

2017年前半を振り返る

2017年に入り半年が過ぎました。これまでのマーケットを振り返ってみます。

昨年末、トランプ氏が大統領選に勝利し世界は大いに驚かされました。その後は期待もあり就任前から株価は上昇しリスクオンの動きで円安に。しかし、今年に入りトランプ大統領への過度な期待感が薄れ、マーケットは少しずつリスクを織り込み円高方向に向かいました。

5月にはフランス大統領選挙が行われ、反EUで極右政党のルペン候補が敗れマクロン候補が勝利しました。欧州の混乱は回避されたという事で市場は好感し、その後は買い安心感で下支えされている状況です。昨年のようなブレグジットやトランプ政権誕生といったサプライズはなく、今年前半の動きは比較的落ち着いた状況といえるのではないでしょうか。

ちなみにリスクオン相場とは経済が良好だと積極的にリスク資産への投資が増える動きです。この際、低い金利の円は調達通貨となり売られる傾向にあります。リスクオフ相場とはこの逆で株が売られ、円が買われる傾向にあります。

2017年後半に注視するポイントは

では2017年後半の注目点はどこでしょうか。

まずはトランプ政権の政策実現能力です。議会との対立を回避し、税制改革やインフラ投資など具体的な政策が進められれば、市場は好感しリスクオン相場となるでしょう。またFRBの利上げがスムーズに行われれば、経済が良好という判断にもなります。

欧州での注目は9月に行われる独連邦議会選挙です。メルケル政権は移民問題などで支持離れもあり、与党が苦戦する可能性もあります。与党の信任低下は政権の弱体化に繋がり、独経済に悪影響を及ぼす恐れも。EUを引っ張る独経済が落ち込めば、欧州発のリスクオフ相場が世界に拡がる可能性も否定できません。

10月は5年に1度開催される中国共産党大会が注目です。習近平国家主席主導の人事が行われれば政権は安定しますが、大規模な改革が断行されるようになれば、一時的な経済失速の可能性も警戒されます。

マーケットに影響力がある国や地域

為替相場を予想する上で政治や経済のイベントは大切です。ただすべてに目を向けるのではなく、まずは主要な国や地域に注目しましょう。

第一の注目は米国です。米国経済は世界の20%以上を占めておりマーケットを牽引しています。よって米国の動向が何より大切です。

次に欧州と中国が注目されます。先進国が多い欧州の影響も大きく、特にEU経済の30%を占めるドイツは注目です。そして中国は米国に次ぐ経済大国で、リーマンショック後は世界経済を牽引しました。影響力も増大しており動向は注目されます。
各地域の優先順位を考え、政治経済をウォッチしましょう。

FXでの戦略と予測のヒント

為替を動かす要因で一番基礎的な部分は世界経済が順調かどうかです。順調であればリスクオンの円安、不安となればリスクオフの円高となります。米国を中心に欧州と中国をみて順調かどうかを考えていきましょう。(あわせて『リスク回避の円高とは』もぜひ参考にしてください。)

テクニカル的な観点からは、年間変動幅も参考にしましょう。ドル/円の1年の変動幅は15~20円程度です。今年は118円レベルが高値で安値は108円レベルです。

昨年の変動が大きく、その反動で今年は動かないケースも考えられますが、変動幅やサイクルを考慮して2017年後半を予想していきましょう。

 

田中和紀

ファイナンシャルアカデミー認定講師。「FX・外貨投資スクール」で教壇に立つ。福岡大学卒業後、証券会社入社。金融ビッグバン当時、業界初のFX事業の立ち上げに関わる。投資実績としては、ドル/円、豪ドル/円のロングポジションの長期投資。年率にして平均15%で10年以上運用した。その他様々な金融商品を取引中。オプションSQに合わせて、オプションの短期売買を実施しています。2006年よりKAZUKI FP事務所代表。証券会社、情報ベンダーなどで講演・執筆を中心に活動。

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