「はじめての人のための3000円投資生活」を読んで家計再生にチャレンジ

「家計再生コンサルタント」横山光昭氏の本『はじめての人のための3000円投資生活』。横山さんはその肩書きからも分かる通り、一般家庭から相談を受けて、家族構成や生活スタイルに合った家計の整え方を提案するのが本職のお方。
1万人超の相談実績があり、当然ながらいろんなタイプのお金を貯められない家族を見てきたそうです。例えば…
・会社の業績悪化で年収が下がり、計算したところ老後の貯蓄がゼロに!
・年収は安定しているのに、子供の養育費など支出がかさんで貯金が作れない!
・夫婦で倹約しているはずなのに、なぜか貯金が増えない!
・パチンコや買い物にハマってしまい、借金が…
などなど、実にいろんなタイプの「お金の問題児」たちがいたとのこと。そして、そのすべての方に横山氏がオススメしているのが、本書のテーマでもある「3000円投資生活」。
一言でいえば「毎月の貯金+コツコツ投資」。これで効率よくお金が貯められるようになる!とのことですが、一体どんなものなのか?本書を読んで「なるほど」と膝を打った箇所がたくさんありました。
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「毎月、決まった額の貯金をしている」人の割合は……
「投資に対する先入観を持つ人にオススメ!」
「3000円投資生活」をスタートさせるには、ネットもしくは証券会社の窓口で証券口座を開き、月々3000円の積み立て型の投資を始め『バランス型の投資信託』を買う。たったこれだけ。毎日の株価を気にする必要はなく、基本的にほったらかしにしておいて大丈夫なのだとか。
投資信託とは、投資家から集めたお金を投資のプロであるファンドマネージャーが運用し、その成果に応じた収益を投資家に分配するというものですが、中でもバランス型とは、日本や外国の「株式」や「債券」などがいろいろパッケージされたもの。これ一つ買うだけでいろんな対象に投資できるそうです。長期的なスパンで利益を生むことを目的とする人に合った投資方法と言えますね。
その特徴をざっとまとめると…
・月々3000円の積み立てと少額なのでリスクが少ない
・銘柄を自分で選ぶ必要はない
・毎日のように株価をチェックしなくていい
と言ったところ。これって実は「株価が気になって仕事が手につかなくなりそう」「銘柄が多すぎて何を買えばいいか分からない」といった投資に対するマイナスな先入観を払拭していませんか?
私のように「投資についての情報を集めれば集めるほどリスクが気になって、結局始める前にやめてしまった」という経験がある人にとって、うってつけの方法なのかもしれません。ちなみに月々3000円という金額は、著者の経験上、初心者がスタートするのに怖くないけど利益もある程度受けられるという数字。もちろん掛け金を増やすこともできるので、実際に家計が安定して投資に慣れてきた人には増額も提案しているそうです。
「それでも失敗するのは、こんな人!」
横山氏にアドバイスを受けた1万人のうち、約4000人が投資で利益を得ているそう。これってギャンブルに近いイメージのある投資にしてはかなり高い割合に思えますが、やはり気になるのは失敗のほう。一体なぜどんな人が失敗するのかについても書かれています。
それはズバリ「一時的な株価変動に一喜一憂する人」。自分が持っている投資信託や株式の値が上がるとすぐに売ってしまったり、ちょっと値が下がると慌てて損切りしたり別の銘柄に手を出したり。そんな人がやっぱり少なくないのだとか。でも、人は調子に乗っているときや焦っているときにミスを起こすもの。慌てて動いた人ほど結果的に「あのとき売らなければよかった」と後悔することが多いのだそうです。

横山ケン太
趣味は財テクとアウトドア。フリーの作家として活動中。