定年退職後に必要なお金を生活費からイメージしてみる!

松浦 建二

2018.04.11.(水)

老後の生活費として、退職までに5千万円必要とか1億円必要等と書いてあるコラムを時々見かけませんか?勤労所得がなくなれば、まとまった貯蓄がないと大変なのは理解できますが、本当のところいくら貯蓄があれば生活していけるのでしょうか?考え方の一例として、年金受給者の生活費から計算してみました。

老後の生活費は月々21万3千円!

厚生労働省の年金制度基礎調査では、老齢年金受給者が月々の生活でいくら支出をしているのかの調査もしています。月々の平均支出額と主な支出項目ごとに支出額を表にまとめてみました。

老齢年金受給者(全年齢)の月々の生活費は平均で21万3千円となっています。衣食住で半分強の11万9千円を支出していて、税・社会保険料に2万7千円、光熱費に1万8千円等支出しています。月々の支出額や支出内訳は、老齢年金受給者の中でも年齢によって異なり、大まかな傾向として、支出額総額は年齢が高くなるほど減っていきます。内訳をみても、ほとんどの支出は年齢が高くなるほど減っていますが、医療・介護の自己負担は年齢が高くなるほど増えています。

ひと昔前に比べて老後の生活費は3割も減っている!

老齢年金受給者の月々の支出額を過去(平成18年・23年)と比べてみました。

老齢年金受給者の生活費は10年前に比べて大きく減っています。平成28年では月々21万3千円ですが、平成18年当時は月々28万1千円でした。この10年で支出額が6万8千円(31.9%)も減っています。デフレで支出額を抑えることができたことも要因として挙げられるかもしれませんが、実態としては年金受取額が増えず、備えるべき貯金も上手くいかなかったことで、支出額が大幅に減ったからではないでしょうか。ここまで減っていると調査方法が適切だったのか疑いたくなってしまいます。

収入が多ければ支出も当然多くなる

最後にもう一つ、本人および配偶者が受け取っている公的年金額を9段階(50万円未満から500万円以上まで)に分けて、それぞれの支出額をまとめてみました。

公的年金額が50~100万円では月々の支出は15万4千円ですが、250~300万円になると月々24万1千円へ増え、500万円以上では月々39万9千円となっています。収入(公的年金)が多くなればなるほど支出も多くなる、想像できた結果となっています。特に趣味・娯楽・交際費と税・社会保険料の支出割合が高くなっています。将来受け取れる年金額から生活費をイメージしてみると良いでしょう。

老後に必要なお金の簡単な計算方法

老後に必要なお金がいくらかを下記の式で簡単にすることができます。

(生活費-公的年金受給額)×老後期間-準備済みの額

仮に老後の生活費を21万3千円とすると、自助努力で備えなければならない額は「(21万3千円-公的年金月額)×老後期間-準備済みの額」となります。公的年金月額を16万3千円、老後期間を20年とするなら、備えておかなければならない額は1200万円となります。今の仕事を続けていれば受け取れる退職金や退職年金等が1200万円を超えるなら、頑張って働き続けるだけで、改めて備える必要はないということになります。

備えなければならない額に影響するのは、基本的に「老後の生活費」「公的年金受給額」「老後期間」「準備済みの額」の4つです。これらの額が明確になればなるほど、老後に必要な額も明確になります。今回は老後の生活費に着目してみたので、公的年金の受給見込み額や準備済みの額等を確認したうえで、改めて計算してみて下さい。

使用統計:厚生労働省年金制度基礎調査
平成28年 表12 表13
平成23年 表12
平成18年 表12

 

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松浦 建二

CFP®認定者・1級ファイナンシャル・プランニング技能士。青山学院大学卒、大手住宅メーカーで戸建てやアパートの営業を経験後、外資系生命保険会社へ転職し生命保険と投資信託の営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する執筆や講演も多数おこなっている。青山学院大学非常勤講師。http://www.ifp.cc/

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