ポイントは「4つのK」 定年後を楽園にする準備

ナカセコ エミコ

2018.04.10.(火)

今は忙しく働いていても、定年後はいったいどうなるのだろうと、ふと不安になることがあります。定年はあくまで会社が決めたものであり、社会人としての終わりではありません。やりがいのある「居場所」づくりと、安心して暮らすための「お金」は、早くから自分で用意しておく必要があるといえるでしょう。高伊茂著『定年を楽園にする仕事とお金の話』 より、定年後こそが楽園であると感じながら生きていくために、今からできることをご紹介します。

「与命」を輝かせる「4つのK」と「働き方の検証」

「幸せな老後」って何でしょうか?何が幸せかは一人ひとり違いますが、一般的に「老後の3K」といわれる「お金(経済)、からだ(健康)、こころ(生きがい)」が大切だと言われています。私はこれに「家族(パートナー、仲間)」を加え、「4つのK」としています。「4つのK」はどれも大切なものですが、なかでも「こころ(=生きがい)」は充実した人生に欠かせないものです。<26ページより引用>

セカンドライフ相談を得意とするファイナンシャル・プランナーである著者は、「人生100年時代」の今、定年での60歳は折り返し地点にすぎないといいます。「60歳以降はおまけのような時間」という「余命」の発想はもうやめなくてはならない、第二の人生は天から与えられた命である「与命」であると語っています。その「与命」を輝かせていくためには、「4つのK」が大切なようです。そして、「こころ(=生きがい)」の土台となるのが、「お金(経済)」と「からだ(健康)」であるのだとか。たしかに、この2つが揃っていて安定していなければ、生きがいの充実ということは難しいといえるでしょう。

2016年に行われた総務省の調査によると、高齢者無職世帯では、夫婦世帯で約5万5000円、単身世帯で約3万3000円の赤字が出ているといいます。何かしらの収入がないと、貯金を切り崩すだけのなってしまうことは必然です。定年後の人生の選択肢を大きく分けると、①働かない人生 ②ボランティア ③働く人生、があると著者はいいます。そして、「働く人生」には、「再雇用」「再就職」「独立・起業」の3つが考えられます。多くの人が選択する「再雇用」は、どれだけ頑張っても65歳で終わりであることを念頭に置いておく必要があります。「幸せな老後」を迎えるためには、どういう働き方を生涯していくのかということを、今から検証しつつ準備しておくことが重要であるといえるでしょう。

お金の対策は「見える化」と「年金のもらい方」がキモ

老後の金の不安は「見える化」で解決できます。お金の「見える化」は、「入ってくるお金を試算する」「出ていくお金を試算する」「シミュレーションする」のステップで行います。中略

将来もらう年金は少しでも多いほうがいいですよね。実は年金額を増やす方法は、2つあります。ひとつは60歳以降も厚生年金に加入しながら働くこと、もうひとつは年金を受け取る時期を遅らせることです。<104・124ページより引用>

定年後を楽園にするには、生涯働き続けるというスタンスがいちばん近道といえそうですが、漠然とした不安を抱いていては、具体的な動き出しがしにくいものです。「不自由のない老後を送るには3000万円必要だ」などと巷ではよく言われますが、一概にそうとはいえないと著者はいいます。生活費も年金受給額も人によって違います。家族構成や年齢、持ち家か賃貸か。さらには、お金が出ていくイベントの有無やリフォームの必要性など、厳密にいえば必要な金額にも大きく差が出てくるのは当然といえるでしょう。

それをふまえて、老後のお金の不安は、「見える化」で解決できると著者はいいます。年金などの入って来るお金、臨時出費も含めた生活にかかる出ていくお金。この2つを試算して、足りない分をどのくらい稼いでいけばよいかを知るだけでも、定年後の働き方が見えてくるといえるでしょう。

そして、年金そのものの額を増やす工夫も視野に入れたいものです。定年後も厚生年金に入るために、自ら起業して会社を設立し、厚生年金に入るといったケースも考えられます。さらには、年金の受け取り時期を65歳よりも遅らせることも重要です。66歳以降に1ヵ月遅らせると、もらえる年金額は0.7%ずつ増加します。上限の70歳まで遅らせれば、年金額は42%もアップ。仮に77万円だった老齢基礎年金は約109万円になり、これが一生続けとしたら、おろそかにはできない情報です。

第二の人生である「与命」をアクティブに過ごす

平均寿命が着々と延び、日本は65歳以上の人口が全人口の4分の1を上回り、超高齢社会に突入していると著者はいいます。数年前から「終活」がブームですが、「終」ではなく「活」にこそ、もっと目を向けるべきであるといえるでしょう。第二の人生は「与命」であると著者はいいますが、定年後にどういう働き方を選択していくか、早くから準備を重ねて情報収集。定年後を楽園にしていくアクティブな生き方を掴んでいきたいものです。

タイトル:定年を楽園にする仕事とお金の話
著者:高伊茂
発行:ぱる出版
定価:1,512円(税込)

【前回の記事はこちら】
賢い老後生活を過ごすために 上手に貯めて使う簡単マネー・メソッド

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ナカセコ エミコ

(株)FILAGE(フィラージュ)代表。書評家&ブックコーディネーター。元・銀行員であり図書館司書。現在は、女性のキャリア・ライフスタイルを中心とした書評と絵本の執筆、選書を行っている。【女性限定】「働く女性のための選書サービス」“季節の本屋さん”を運営中。https://www.filage.co/

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