ホリエモンの新著「何でお店が儲からないのかを僕が解決する」を読んでみた

横山ケン太

2016.12.06.(火)

ホリエモンが感じている歯がゆさ

ホリエモンこと実業家の堀江貴文氏の新著『何でお店が儲からないのかを僕が解決する』を読んでみた。
テーマは「飲食店」。
飲食店×ホリエモンと言えば「寿司職人が何年も修行するのはバカ」発言で大炎上したのが記憶に新しいが、このタイミングで外食ビジネスをテーマにした本を出版したのはさすがである。

しかし、実際に本を読んで感じたのはホリエモンの食に対する並々ならぬこだわり。そして実業家としての「歯がゆさ」。
やり方はいくらでもあるのに、なぜ飲食店は過去のしきたりに囚われ儲かるチャンスを逃しているのか?と言いきっており、その一つが先の炎上発言だったのだ。毎日必死に働いている飲食業の方々が聞けば怒ってしまいそうなものだが、果たして本書を読んだ後ではどうだろうか?この本には少なくともそう思わせるだけの説得力、そして情報量があった。

飲食業者もそうでない人も、超リアリストであるホリエモンの言葉にハッとさせられるかも?本書の中で印象的だったホリエモンの提言をいくつかまとめてみた。

「日本の飲食店はITリテラシーがなさすぎる!」
1年365日を基本的に外食し、リサーチを欠かせないホリエモン曰く『既存の飲食店には「コンピューターが分からない」と平気で言う店主の多いこと!お客さんが使うレベルのネット情報も活用していない』という。

例えば、彼も通う吉祥寺にある人気の肉料理の店「肉山」では、店主がお客さんとどんどんフェイスブックやLINEでつながっておきグルーピング。
当日でも空席が出たら即「キャンセル出ました!」と投稿。あっという間に「行きます!」のコメントが入るという。この方法はドタキャンのリスク回避にも役立つうえ、ネット予約時には電話番号とアドレスを書き込むので注意すべき客の情報も管理できるためメリットだらけなのだとか。

最近団体で予約をしておきながら店に連絡もしない「ドタキャン問題」が取り沙汰されているが、ネットを活用すれば対策は取りやすい。ホリエモンはさらに、初期投資を抑える方法のリサーチから調理の方法まで、どんどんネットを利用するべきと主張している。

「やっぱり、修業はしなくたっていい!」
あの炎上発言でホリエモンが本当に伝えたかったことは「飲食業界の深刻な人材不足」を解決する方法。その根本的な原因は下積みを重んじる業界の仕組みにあると分析している。早朝から深夜まで雑用をこなし、教えてもらう技術は小出し。そのうえ給料も安い。

 例えば、弁護士になるか寿司職人になろうか迷うような人材が寿司職人の道を選んだと
して、彼は10年以上も店の奥で皿を洗っているだろうか?

という問いかけは飲食業界で働く人にとって耳が痛いのではないだろうか? 彼に言わせれば『職人が支える店』は、言い換えれば『職人がいないと何もできない店』。経営的にはリスクしかない。「職人しか作れないものは作るな」と考えてどんどんマニュアル化をして進化を目指すべきとも提言している。

「毎日築地に行く」は自慢にもならない!

さらにこんな過激発言も!というのも、現在のコミュニケーションツールを使えば産地直送でいくらでも新鮮な魚や野菜が手に入り、直接取引でコストも抑えられるのだとか。それをホリエモン流の言葉にすればこうなってしまうようだが、なるほどと思える直接取引のメリットが他にも色々と紹介されている。
そして、いい客になるためのこんな提言も。

『美味しんぼ』の呪縛からいい加減逃れよう!

グルメ界に大きな影響を与える漫画『美味しんぼ』にも噛みついたホリエモン!しかしその影響の大きさにこそ問題があると考えているようだ。

「ワインは酸化防止剤を入れていないものが正解」や「酒は純米」など、グルメに関する知識が信仰めいた広がりを見せている。しかし「麦芽とホップで作っているビールこそ至高!」と言われても、汗水たらして肉体労働した後に飲むのはアサヒスーパードライが良くないか?

これはじつに彼らしい考え方ではないだろうか?

最近は食べログに、店に行きもしないのに「偽物を出している」などと批判するレビューが付けられることがあるが、彼は皆が自分の美味しいと感じた喜びを伝えるよう心がけることが店との良好な関係をつくると締めくくっている。

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「職人しか作れないものは作るな」「毎日築地にいくなんて自慢にならない」「美味しんぼの呪縛から逃れよう」。本書の中には、言葉だけ切り取れば炎上しそうな過激な言葉が他にもたくさん並んでいる。

しかし飲食店を経営している人の中には、実際グゥの音も出ない人がいるのでは?それほどストレートに「なぜやらないの?」というメッセージやアイデアが包み隠さず詰め込まれていた。

飲食店で働く人。外食が好きな人。あの寿司職人発言の真意やホリエモンという人物が知りたい人にとって最適な一冊でした!

hon

 

横山ケン太

趣味は財テクとアウトドア。フリーの作家として活動中。

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