1分でわかる! 所得税と住民税の節税効果をアップ

益山真一

2016.11.07.(月)

保険料控除で税金を少しだけお得に

2016年10月中旬から保険共済等の「控除証明書」の送付が始まっています。
皆さんのお手元にも届きましたか?

この控除証明書は、所得税や住民税を安くするための大切な書類です。
お勤めの方は証明書を会社に提出して適用を受けられ、お勤めでない人は税務署に対する確定申告により適用を受けることができます。
所得税の税率は課税所得金額に応じて5%~45%の7段階、
住民税の税率(所得割)は一律10%。
つまり、課税対象者の税率は15%~55%となります。

5万円の控除を受けられる場合、
課税所得がない人が適用を受けても節税効果はゼロですが、
課税所得が300万円の人(所得税率10%)が適用を受けると1万円の節税
課税所得が500万円の人(所得税率20%)が適用を受けると1万5,000円の節税
節税効果は言い換えれば、知識を活用した「運用」。
所得控除は課税所得が高い人が適用を受ける方が効果は大きくなります。
今回は各種保険料の控除のちょっとした工夫を紹介します。

生命保険料控除、全部出した方が有利とは限らない

生命保険料控除は、平成23年までの契約(旧制度の契約)の控除の種類は「一般」と「個人年金」の2つでしたが、これは、平成24年以降の契約(新制度の契約)の控除の種類は「一般」「介護医療」「個人年金」の3つとなりました。従来、「一般」に分類されていた契約のうち、平成24年以降に契約した介護・医療の保険料は「介護医療保険料控除」に「のれん分け」された、ということです。
なお、旧制度の契約を更新したり、特約を途中付加した場合にも、その月以降、その契約全体につき「新制度」が適用されるため、1つの契約について、同一年中で「旧制度」の対象となる保険料と、「新制度」の対象となる保険料が混在する場合もあります。
こう説明するとわかりにくいのですが、控除証明書には「旧制度」「新制度」の別、控除の種類が記載されていますので、ご安心を。
生命保険料控除は、旧制度と新制度では控除額が異なり、3つの制度の控除限度額は以下のとおりとなります。

hokenkoujo

よく分からないから控除証明書を全部提出すればよい、と考える人も多いと思いますが、「一般」と「個人年金」について、「旧制度」と「新制度」の契約がある場合、両方の控除証明書を提出するよりも、「旧制度」のみの控除証明書を提出した方が、控除限度額は多くなります。
具体的には旧契約の保険料が6万円以上の場合は旧契約のみの控除証明書を提出した方が有利となります。

介護医療の保険料は契約者変更により節税効果アップ

また、介護や医療の保険は、被保険者やその配偶者(夫婦)、直系血族(父母、子等)等が受け取る入院・通院・手術等の給付金は非課税となります。
つまり、家族を被保険者とする場合、契約者(保険料負担者)は課税所得が高い人とするほど節税効果は大きくなります(死亡保険や年金保険は契約形態により受け取る保険金の課税が異なります)。

地震保険料控除は本人が所有する住宅に限る?

居住用の家屋や家財に付保した地震保険の保険料は地震保険料控除の対象となり、
所得税では、年間払込保険料の全額が対象となり、最高5万円
住民税では、年間払込保険料の半額が対象となり、最高2万5,000円を控除できます。
自分が所有する住宅に自分で地震保険を付保するケースが多いと思いますが、親が所有する住宅に、生計を一にする同居の子が地震保険を契約したり、妻(夫)が所有する住宅に、生計を一にする同居の夫(妻)が地震保険を契約した場合でも、地震保険料控除は適用できます。

つまり、年金世代の親が所有する住宅の地震保険の保険料を、現役世代の子が負担したり、妻が所有する住宅の地震保険の保険料を、課税所得が高い夫が負担するほうが、家族全体からみれば節税効果が大きくなります。

参考までに、平成29年1月から地震保険料が改定され、全国平均で約5.1%アップ(都道府県、構造によっては下がる場合もあり)。
加入を検討している方は、以下の資料で調べてみてはいかがでしょうか?

都道府県・構造別の地震保険料
http://www.giroj.or.jp/news/2015/150930_2.pdf

ちょっとしたことですが、1年間では小さい節税効果でも30年適用すれば、30倍の違い。
額面給与がなかなか増えない中、節税効果を活用して、手取額を増やす工夫をしてみてはいかがでしょうか?

益山真一

ファイナンシャルアカデミー認定講師。「お金の教養スクール」で教壇にたつ。家計改善を得意とするファイナンシャルプランナー。國學院大學経済学部の非常勤講師も勤め、研修・セミナーの実績も多数。経済、景気等への感度が高く、株式投資では18ヶ月連続増益の経験もある。

  • 金利だけでじゃない、特典つき定期預金あれこれ

    詳細を見る
  • これで経済もよくわかる!世界のおもしろ指数まとめ

    詳細を見る
  • これってセクハラですか?部下を傷つけないための正しい指導

    詳細を見る