不動産投資と相続税対策

マネラボ編集部

2015.08.13.(木)

消費税増税の是非の判断が大詰めを迎えているが、増税の方向にあるのは消費税だけではない。相続税にも大増税時代の波は押し寄せてきている。2015年1月から基礎控除額が引き下げになり、最高税率も上がる予定だ。現在、相続税の課税対象となる割合は全体の4%程度と言われているが、増税後には課税対象となる割合が上がり、特に首都圏では10%を超えるという試算もある。

法定相続人が2人いるケースで考えてみよう。現在の税制では、基礎控除は「5,000万円+法定相続人1人につき1,000万円」だから、7,000万円までは相続税が課税されない。ところが、2015年1月以降になると基礎控除は「3,000万円+法定相続人1人につき600万円」に。これまで7,000万円だったものが4,200万円になるのだから、相続税の課税対象となるハードルがいかに低くなるかを実感していただけるのではないだろうか。

相続対策で注目される「不動産投資」

こうした流れのなかで相続対策として注目されているのが、不動産投資だ。現金5,000万円を相続した場合、その相続税評価額は(当たり前だが)5,000万円だ。しかしあらかじめ相続対策として不動産を購入しておくと、土地・建物それぞれに相続税評価額を下げることができる。土地は原則として相続税路線価をもとに計算され、おおよそ公示価格(売買価格)の8割程度、建物は固定資産税評価額を使っておおよそ5割程度と、現金として相続するのに比べ、3割ほどの圧縮ができることになる。

賃貸使用にすることで更に節税が可能

加えて、自らの居住用ではなく賃貸使用とすることでさらに相続税評価額を下げることが可能だ。借地権割合や借家権割合を加味すると、土地は4割、建物は3割程度、さらに評価を圧縮できる。結果として、現金と比べると半分もしくはそれ以下に相続税評価額を下げることができるというわけだ。

もちろん、メリットは節税だけではない。銀行に預金しても微々たる金利しかつかないことを思えば、現金で相続するよりも、毎月、安定的な家賃収入を生む投資用不動産として相続したほうが、その後のライフプランの追い風になる。

 

今後もこうした増税の流れが加速していけば、近い将来、相続税は富裕層の人だけに関係する“特別な税金”ではなくなってくるだろう。想定外の相続税がかかることで納税資金が不足し、いずれは自分が住むつもりだった実家を手放さざるを得なくなったということもなきにしもあらずだ。「相続する」側も「相続される」側も、そろそろ本気で対策を考えなければならない時代が到来しつつある。

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