50歳代の人でもメリット大! 活用しないともったいないiDeCoって?

高橋禎美

2017.06.23.(金)

iDeCoとはどういうもの?

今年から、新たに加入対象が広がって多くの人が利用できるようになったiDeCo(イデコ。個人型確定拠出年金)。iDeCoは自分で自分のお金を積み立てる私的年金制度です。国が、税制優遇のある口座を用意して、公的年金以外に自分で老後資産を作り上げていくのをバックアップしています。この口座は、投資先が倒産しようとも自分の資産として保全されるようにセーフティネットが張られていて、守られています。

そもそも、確定拠出年金は自分で投資先を決めて自分の責任で年金を増やしていくものです。運用で資産を大きくするのであれば、10年、20年とある程度の時間が必要になります。iDeCoへの加入は60歳までなので、50代の自分には加入期間が短いから関係ないのかなと思っている方も多いのではないでしょうか。時間の分散投資の効果を期待しにくいのかもしれませんが、iDeCoの活用による恩恵は、投資益そのものだけではないのです。どんな税制優遇があるのか、見ていきましょう。

50代からのiDeCo活用で生まれる3つの税制優遇メリット

主なメリットは3つあります。

1.積立の時のメリット「掛金の全額所得控除」
2.運用中のメリット「運用益が非課税」
3.受取りの時のメリット「一時所得や年金所得の所得控除が適用」

1.積立で拠出する掛金は、全額所得控除できる
iDeCoに55歳で加入した場合を例にとります。
毎月拠出する掛金が全額所得控除になることで得られる節税効果は、55歳加入なら最長で5年間あります。企業年金のない会社員が、掛金の上限額の月23,000円を拠出したとすると、年間で約55,000円の節税(所得税と住民税の合計税率が20%の場合)となり、年末調整や確定申告により還付金として、自分に戻ってくるのです。

2.運用中の利益には課税されない
拠出金の運用益(源泉分離課税20.315%)も非課税となります。一方で、iDeCo利用以外の、個人で運用している投資信託や銀行預金口座の配当所得や利子所得には、運用益に対して税金が約20%かかり特定口座であれば自動的に徴収(源泉徴収)されてしまいます。この差は大きく、嬉しい税制優遇のポイントです。

3.受取るときの課税方法が優遇されている
受給する、ということは所得を得ることになります。所得を得るとその所得の種類と額に応じて課税されるのですが、iDeCo口座では、個人の投資信託口座などに比べて税制が優遇されています。受給方法は3種類。「一時金」、「年金形式」として、または「一時金」と「年金形式」を併用して受取れ、いずれの方法でも税制優遇があります。

受給方法①「一時金」として受け取る場合
一時金としてまとめて受給すれば「退職所得控除」が適用され、税金の優遇が受けられます。加入期間を勤続年数と見なして、加入期間に応じた金額が控除されます。

「退職所得控除=40万円×加入年数(※注1)」
※注1 なお、加入年数が20年を超えた部分は1年あたり70万円が控除額となります。

加入年数は確定拠出年金の掛金を払った期間です。長くなるほど控除額が大きくなります。50歳から10年加入していた場合、iDeCoによる資産が400万円以下であれば、全額非課税ということになります。

受給方法②「年金」として受け取る場合
年金として受取る場合には「公的年金等控除」が利用できます。この控除によって、給与所得等と比べて課税額がぐっと低くなります。
例えば、65歳未満で受け取る額が年間70万円以下、65歳以上の場合、受け取る額が年間120万円以下だと全額控除になります。

国税庁HP https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1600.htm

受給方法③「一部は一時金」として受取り、「残りは年金」として受取る場合
併給で受取ると、退職所得控除と公的年金控除の恩恵を余すところなく活かすことが可能です。退職所得控除の枠内の金額は一時金としてもらい、それ以外は分割払いで受け取るという方法です。(ただし、運営管理機関によっては併用ができない場合があります)。

受取開始年齢を把握して、老後の収入計画に組み入れる

iDeCoは国民年金と違って、受取り方と開始時期を指定できるのもメリットです。
60歳で受取るのも良いですし、いますぐに必要でなければ70歳まで据え置け、一括でも年金形式でも受取りが可能です。ただし、50代で加入したときは、受取可能年齢は確認しておきましょう。

iDeCoは受取が原則として60歳から可能ですが、そのための要件として10年以上の加入が必要です。例えば53歳で加入したら、表の通り、受取開始年齢は62歳です。これを踏まえて、62歳までは働く、など自分に合った資金計画を立てましょう。
受給開始に際してはご自分で請求をするので、受取りを開始する年齢を、ご自分の受給可能年齢から期間中(70歳が期限)で、自分で選択できます。受給可能年齢を事前に把握していれば、しっかりと老後のマネープランを立てることができます。(老後のマネープランについては『老後を安心して迎えるために最初にやっておきたい3つのポイント』もぜひ参考にしてください。)


厚生労働省HP http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/kyoshutsu/ideco.html

いかがでしょうか。
iDeCoの税制優遇の恩恵は50代からスタートする方にとっても大きいものです。まだ取り組んでいないのであれば、老後への備えにiDeCoを取り入れて、3つのメリットを活かした資産形成を始めることをお勧めします。

高橋禎美

ファイナンシャルプランナー/ 一種証券外務員/ パーソナルカラーアドバイザー。大手アパレルメーカーを退職後、FPとして独立。無料相続相談会を開催中

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