マクロ経済を様々な指標から読み解いていこう

岡田正人

2017.06.13.(火)

株価チャートはマクロ経済とミクロ経済の
影響を受けて形成されている

日本に上場している約3,600の企業にはそれぞれの株価がついており、各々独自のチャートの動きをしています。クセのある動きをするものや変則的な動きをするものも含めて、大別すると以下の3つの動きしか株価はありません。即ち、

①上昇トレンド
②もみ合いトレンド
③下降トレンド

このときチャートの形だけを見て株式投資をする方法を『テクニカル分析』と言いますが、上記の①~③の動きはどのようにして形成されるのでしょうか。
理由は大きく分けて2つあります。

1つ目の理由はその個別企業の業績や割安さを反映して形成されています。(ミクロ経済)
一般的には業績がよく、割安と判断されている株価は上記の①や②の傾向を示すことが多く、その逆の場合は③の傾向を示すことが多いです。この分析は会社四季報によって行えます。(四季報による銘柄チェックの基準は『株式投資は、準備が8割』をご覧ください。)

2つ目の理由として、日本の政治経済政策、世界情勢を反映して形成されています。(マクロ経済)
本当に調子の良い企業は全体景気に左右されることが少なく株価は上昇していきますが、多くの場合は日本や世界景気全体に左右されながらチャートを形成していきます。言い換えると個別企業の株価は少なからず、全体景気の影響を受けています。それでは景気状況を知るために具体的にどのような指標が注目されているのでしょうか。いくつかご紹介していきたいと思います。

①日経平均

日本の一部上場している企業のうち特に優秀な225の企業の株価の平均値を示したもので、日本の現在の景況感を知る上で最もポピュラーな指標です。所謂ニュースで株価が上がった、下がったというような報道はこちらの指標について触れていることが多いです。底値は約7,500円で最高値はバブル経済時の約3万9000円です。

②NYダウ30種

全世界の株式時価総額の約40%を占める米国の代表的な株価指数です。日本のみならず全世界に対して圧倒的な影響を与える指標なので必ず毎日チェックをしておきたいです。日本の夜にダウ市場が始まります。翌日の日経平均の動きもダウの影響を大きく受けます。現在は過去最高値を更新している状況です。

③上海総合指数

米国に次ぐ世界第2位のGDPを誇る中国の代表的な株価指数です。株式市場の規模は米国と比べるとまだ小さく香港と合わせても全世界の15%程度の時価総額ですが、それでも世界第2位の地位は固まっており、年々とその存在感は増しています。最近でも2015年8月や2016年1月と何度も中国発の世界株価暴落を起こしており、今後も注目の指数です。

④為替

通貨の値動きも株価に大きく影響を与えます。日本においては輸出関連企業が株式の時価総に大きな割合を占めているので、一般的には円安=株高、円高=株安の式が成立します。
特にドル/円の動きが大切なのでチェックが必要です。ここ10年位で言うと1ドル=75円~120円程度のレンジで推移しています。

⑤原油(WTI)

原油価格の値動きも株価に強く影響を与えます。日本においては原油安の方が、ガソリンが安くなったり、輸入コストが下がったりなどの恩恵が望めますが、世界全体で捉えると原油高=株高、原油安=株安の図式が成立します。これは企業活動が活発に行われると必然的に原油調達の必要性が出てくることが理由に挙げられます。2016年1月の株価急落の際には中国ショックと並行して原油も歴史的低水準まで下落していました。

⑥長期金利

金利の高低も株価への影響があります。一般的には低金利=株高、高金利=株安の構図になりやすいです。これは低金利の方が企業は資金調達がしやすい(=借金をしても利息を多く取られない)ですし、個人も同様に不動産などの高額商品を購入しやすいため、投資・消費活動が活発になります。その結果企業業績を押し上げて、株価にプラスに働きます。
逆に金利高となると企業も個人も利息の支払いが多くなり、また現金を保有していたほうが利息を多くもらえるので、投資・消費活動が停滞していきます。その結果株価はマイナスになりやすくなります。

このように株価チャートは、その背景に複雑で多様な意味や理由をもって形成されていきます。最初から全ての事象を理解するのは難しいかもしれませんが、ミクロ経済は会社四季報から、マクロ経済は日経新聞等から情報収集をしていくと徐々に知識が深まっていきます。このように株式投資を通じて、個別企業だけでなく世界全体の動きに目配りの出来るビジネスマンになっていくことが出来ます。

 

岡田正人

ファイナンシャルアカデミー認定講師。「株式投資の学校」で教壇に立つ。予備校講師兼個人投資家。大学在学中は30カ国程の海外旅行を通して見識を広める。より多くの自由と時間を求めて、文学部卒業後独立開業資格の司法書士の勉強を会社員と並行して始める。長年の努力の末に司法書士試験に合格する。その過程で行政書士、宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、ファイナンシャルプランナー2級、ビジネス実務法務2級、法学検定上級を取得。不動産系の法律を中心に専門性を高めてゆく。趣味は読書と食事とお酒。読書は主要な日本文学と世界文学を読破することが小さな人生目標で、好きな作家は村上春樹、夏目漱石、ドストエフスキー、トルストイ等々。週末を中心に常に新しいお店を探して食べ歩き、飲み歩くのが大好き。将来の夢は世界旅行と独立開業。

  • 年収500万円なら住宅購入しないほうがいいpart.1

    詳細を見る
  • ポタリングで健康増進しながら、ストックフォトの撮影素材を探す!

    詳細を見る
  • 推しと結婚したいから、結婚費用について真面目にシミュレーションしてみた

    詳細を見る