【特別掲載】民泊新法に基づいて始める低コストで収益をあげる方法!

石原遥平

2018.05.05.(土)

スペースシェアの選択肢も考えてみる

民泊事業以外にも、スペースを活用したビジネスは多数存在します。伝統的な不動産事業としては賃貸業が挙げられるが、その他にも、シェアハウスやマンスリーマンション・ウィークリーマンション、さらにはレンタルスペースなど様々な選択肢があります。

ただし、旅館業と賃貸業の境界線は必ずしも明確ではなく、旧厚生省の通知においてその解釈が示されているにとどまります。

つまり、旅館業の対象となるのは、

①施設の管理・経営形態を総体的にみて、宿泊者のいる部屋を含め施設の衛生上の維持管理責任が営業者にあると社会通念上認められる場合で、

かつ、

②施設を利用する宿泊者がその宿泊する部屋に生活の本拠を有さないことを原則として営業している場合

とされているものの、ここにいう「施設の衛生上の維持管理責任が営業者にあると社会通念上認められる場合」、「宿泊者がその宿泊する部屋に生活の本拠を有さないことを原則として営業している場合」とはどういう場合なのか、という点についてどう判断するかはケースバイケースとならざるを得ません。

国会答弁から見える解釈のポイント

この点について、第193回国会衆議院厚生労働委員会第27号では「一般論として、施設の衛生上の維持管理責任については、清掃やシーツ交換等を営業者が行っているか否か、そして、一定の場所が生活の本拠に当たるか否かは、住居、職業、生計を一にする配偶者その他の親族の存否、資産の所在等の客観的事実などを総合的に判断する」との答弁がなされているところであり、清掃・リネン交換を行っている主体が利用者自身なのか事業者なのかという点と、利用者の生活の本拠がそこにあるのか否かという点がポイントになると思います。

ウィークリーマンションのリスク

また、ウィークリーマンションを騙って実質的に宿泊施設のような形で運営している事業者も少なからず存在するが、場合によっては旅館業法が適用される可能性があることには注意しなければなりません。

すなわち、第193回国会衆議院国土交通委員会第22号において、「主に一週間程度の利用が想定されるウイークリーマンションは、客室の衛生管理を営業者が行っている例が多いと考えられることなどから、この場合には旅館業に該当することとなります。

一方、主に一カ月程度の利用が想定されるマンスリーマンションは、客室の衛生管理は入居者みずからが行っている例が多いと考えられることなどから、こういった場合には賃貸業に該当するものと考えております。」と指摘されていることに加え、旧厚生省は昭和63年の時点で、「いわゆるウィークリーマンションをはじめとして、新しい形態の旅館業類似営業」が、旅館業法にいう「人を宿泊させる営業」に該当するか否かは、公衆衛生その他旅館業法の目的に照らし、「総合的に判断すべき」としつつ、

①利用日数の単位は1週以上とし最長制限の定めはないものの実態としては1~2週間の短期利用者が大半、

②利用者は手付金を支払って予約し、入居時までに物品保証金及び利用料等を支払い賃貸契約を締結した上入居する、

③客室には日常生活に必要な設備(調理設備、冷蔵庫、テレビ、浴室、寝具類等)が完備されている、

④室内への電話器、家具等の持ち込みは禁止されている、

⑤利用期間中における室内の清掃等の維持管理は、全て利用者が行う、

⑥シーツ、枕カバーの取り換え、浴衣の提供等リネンサービスは行わないが、利用者からの依頼があれば請け負い会社を斡旋する、

⑦食事は提供しない、

⑧利用者は、主として会社の短期出張者、研修生、受験生等、

という施設については、「旅館業法の適用対象施設として取り扱ってさしつかえない」と指摘していることに留意すべきであろう。

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石原遥平

慶應義塾大学法学部法律学科単位取得退学(飛び級)後、同大学院法務研究科修了。2010年司法試験合格。2011年弁護士登録を経て弁護士法人淀屋橋・山上合同入所。2013年から公益財団法人日本スポーツ仲裁機構(JSAA)仲裁人候補者となるなど、ライフワークとしてスポーツ法務も取り扱う。2016年7月から株式会社スペースマーケットに参画(出向)。

内閣官房IT総合戦略室が主催したシェアリングエコノミー検討会議に参加し、安全・安心な利用が可能になるようシェアリングエコノミー・モデルガイドラインの策定にも関与。現在は一般社団法人シェアリングエコノミー協会の事務局としてモデルガイドラインに沿った認証制度を策定・実施するプロジェクトリーダーとして活動している。

平成30年、観光庁「標準住宅宿泊仲介業約款の策定に関する検討会」(民泊新法に伴う仲介事業者に関する標準約款策定)委員。

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