「確定拠出年金(iDeCo)」そのメリットとは?

添田享

2018.03.30.(金)

前回までは、余剰資金の活用方法として、低解約返戻金型終身保険についてご説明いたしましたが、今回からは、生命保険ではなく確定拠出年金についてご説明いたします。

この「確定拠出」とは、文字通り「拠出」が「確定」している、すなわち、掛金額が確定しているという意味で、将来受け取る年金額は確定していないものを指します。なお、これの対義語が「確定給付」であり、確定給付型年金としては、厚生年金や国民年金などの公的年金も該当しますし、従来型の企業年金(確定給付企業年金、厚生年金基金)や個人年金保険も該当します。

確定拠出年金には「企業型確定拠出年金」「個人型確定拠出年金」の2種類があります。企業型確定拠出年金では、基本的には企業が掛金を拠出し(従業員が自己負担で掛金を上乗せさせることも可)、運用の指図を1人1人の従業員が行い、その運用結果として将来の年金額が決まるものです。

一方、個人型確定拠出年金とは、企業ではなく個人が掛金を拠出すること以外は、企業型とは大きくは異なりません。ただ、以前は、個人型確定拠出年金に加入できる人は、基本的に自営業者のみに限られていましたが、現在では、会社員、公務員、専業主婦なども加入できるようになり、多くの人が加入対象となりました。

では、余剰資金の活用に、この確定拠出年金、特に、個人型確定拠出年金を使うことにどのようなメリットがあるでしょうか。

まず、個人型確定拠出年金の掛金は、「小規模企業共済等掛金控除」として全額所得控除となります。また、せっかくこのような税制メリットがあっても、掛金の運用がマイナスとなることを懸念される方もいらっしゃると思いますが、掛金を運用できる商品の中には、必ず元本確保型商品(定期預金など)が含まれており、運用リスクを懸念される方は、このような商品で運用すればよいわけです。

また、個人型確定拠出年金は、年1回ではありますが、掛金を変更することが可能です(ただし、拠出限度額という上限額と、下限額があります)。
ですので、掛金の負担が困難になる場合は、掛金を減らすことが可能です。まったく払えない場合は、掛金を拠出しない「運用指図者」になることもできます。これは新たに掛金を拠出しないで、今まで拠出した掛金を運用するだけの立場になることです。このように、毎年の自分の収入に合わせて、掛金額をコントロールできます。

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ポータビリティ

また、確定拠出年金には「ポータビリティ」という機能があります。企業年金間や、企業年金(企業型確定拠出年金を含む)と個人型確定拠出年金との間で、受取額(積立金)を非課税で移すことができます。
例えば、元々会社員で、そこの企業を短期間で退職したことにより、確定給付企業年金から、年金ではなく一時金で受け取る場合は、その一時金額を確定拠出年金に非課税で移すことができます。この場合の確定拠出年金には、企業型確定拠出年金、個人型確定拠出年金の双方を含みます。ただし、確定給付企業年金から年金で受け取れる場合は、確定拠出年金へ移すことはできません。

もちろん、個人型確定拠出年金から企業型確定拠出年金や確定給付企業年金へ移すこともできます。このように、比較的自由に移すことができますので、このポータビリティを活用することで、確定給付企業年金、確定拠出年金(企業型、個人型)からの受取額をまとめることができるわけです。

まとめますと、確定拠出年金の長所は「所得控除」「ポータビリティ」であり、税制メリットを享受しつつ、同時に老後の備えもできるわけです。しかし、長所もあれば短所もありますので、次回は確定拠出年金の留意すべき点についてご説明致します。

【次回の記事はこちら】
「確定拠出年金(iDeCo)」のデメリットを詳しく解説
【前回の記事はこちら】
「低解約返戻金型終身保険」若いうちに入ったほうがいい?

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添田享

日本アクチュアリー会正会員、日本証券アナリスト協会検定会員。1級DCプランナー。アクチュアリー・ゼミナール講師。大学、大学院で数学を専攻し、大学院修了後、アクチュアリー候補生として信託銀行に入行。その後、証券会社、生命保険会社などで一貫してアクチュアリー業務に従事。
アクチュアリーの中でも、生保アクチュアリー、年金アクチュアリー双方で業務経験が豊富である数少ないアクチュアリー。現在は、アクチュアリーの業務経験を活かして、アクチュアリー試験などの金融関連資格の講師、数学の講師など幅広い分野で活躍。

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