「かかりつけ医」を持てば節約できる理由とは?

黒田尚子

2018.03.09.(金)

日本医師会の定義によると、かかりつけ医とは、「健康に関することを何でも相談でき、必要な時は専門の医療機関を紹介してくれる身近にいて頼りになる医師のこと」

いわば、病気やケガをしたときに、気軽に相談・受診できる近所のお医者さん、というわけですが、かかりつけ医には、どんなメリットがあるのでしょうか?

「かかりつけ医」を持つメリット

まず、一般的なかかりつけ医のメリットには、

・待ち時間が少なく、じっくり気軽に診察してもらえる
・必要に応じて適切な病院・診療科を紹介してもらえる
・本人以外に家族の病状や病歴、健康状態も把握しているので素早い対応がしてもらえる

などの点が挙げられます。

かかりつけ医に紹介状を書いてもらえば「特別料金」を払う必要はない!

このほか、かかりつけ医には、医療費節約につながるメリットがあります。

ポイントは、初診時の特別料金の存在です。

国は、大病院と「かかりつけ医」との機能分担を進めており、がんや難病など専門的で高度な診療を必要とする疾病以外は、まずは、かかりつけ医を受診してほしい意向です。

しかし、病気になったら、誰でも「大きな病院の方が何かと安心」と思いますよね。ですから最初から、大病院を受診する人が後を絶ちませんでした。

そこで、法律が改正され、大病院(ベッド数が500床以上等)を、紹介状なしで受診すると、初診料に「選定療養費」という特別料金をかけても良いとされたのです(2016年4月より徴収義務化)。

自分の判断による「転院」や「ハシゴ受診」は不経済!

内閣府の調査によると、義務化された大病院の約95%が、特別料金の金額を5,000円以上6,000円未満としています。

一方、任意となっている病院(ベッド数が200床以上500床未満)でも、84%が初診料に一定額を加算しています。これを知らずにウッカリ大病院を受診して、お会計の際の金額に驚いた!という人もいるようです。

さらに、受診中に、自分の判断だけで受診先を変える「転院」や「ハシゴ受診」は経済的ではありませんし、心身的にもかなりの負担となるでしょう。

とにかく、緊急性がなければ、大病院に行くよりも、診療所や中小病院など地域に密着した「かかりつけ医」に行き、そこから症状に合わせて、適切な治療を受けたり、病院を紹介してもらったりした方が、時間もお金も節約できるハズです。

かかりつけ医が「主治医意見書」を書いてくれれば安心

また、シニアになれば、かかりつけ医のメリットが増してきます。

例えば、将来介護が必要になった場合、公的介護保険のサービスを利用するには、要介護認定を受ける必要があり、その際に「主治医意見書」が求められます。これは、市区町村が申請者の心身の状況等について、医学的見地から意見を求めるためのもの。

主治医がいない場合は、市区町村が指定する医師の診断を受けて作成することになっていますが、介護時の申請書の主治医の欄にかかりつけ医の名前が書いてあれば、市区町村はその医師から現状を確認します。

日頃から、心身の状況や家族の介護事情などを把握してくれる、かかりつけ医に意見書を書いてもらえば、なにかと安心。具体的かつ実態を反映した正確な認定にもつながります。

かかりつけ医を選ぶポイントは?

さて、そこで気になる、かかりつけ医を選ぶポイントです。

診察・診断が丁寧で確実であること、新しい治療法など研究熱心であること、自分(患者)との相性が良いこと、信頼関係が築けること等々、イロイロ考えられますよね?

その中でも、とくに注目したいのは、「患者離れの良さ」です。つまり、自分の手に負えないと感じたら、すぐに適切な専門医・専門病院を紹介してくれるお医者さんかどうか?ということ。

実際、咳が治らなくて、かかりつけ医で何カ月も風邪薬を処方してもらっていたけれども、まったく症状が改善せず、大病院を受診した時には、末期の肺がんと診断され、手遅れだったというケースもあります。

最悪な事態を招かないよう、患者さんを抱え込まず、専門医へリファー(委託)できるかどうかは、かかりつけ医を選ぶ上で非常に重要なポイント。みなさんにも、ベストなかかりつけ医を選ぶ目を養っていただきたいと思います。

参考:日本医師会「かかりつけ医を持ちましょう」
   内閣府「大病院調査の結果」

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黒田尚子

ファイナンシャル・プランナー/消費生活専門相談員資格/乳がん体験者コーディネーター。1998年FPとして独立。2009年末に乳がん告知を受け、「がんとお金の本」(Bkc)を上梓。自らの体験から、がんなど病気に対するおカネ・ココロ・カラダの備えの重要性を訴える活動を行うほか、老後・介護・消費者問題にも注力している。著書に「50代からのお金のはなし」(プレジデント社)、「がんとわたしノート」(Bkc)、「がんとお金の真実」(セールス手帖社)など多数。黒田尚子FP事務所 http://www.naoko-kuroda.com/

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