「今」雇用統計より平均賃金を見よう!

角野實

2018.02.28.(水)

前回は、アメリカの雇用に季節性があるということをお話ししました。これは、アメリカ最大の商戦期というのは誰が何を言おうともクリスマス、年末だからです。だから、相対的に1月の雇用というのは、悪くなる傾向があるのです。

先月の予想を外した理由

先月に『アメリカ雇用統計が重要な理由』で2月の雇用統計の動きを予想しましたが、結果1月の雇用統計は、予想以上に良かったのです。この理由は、年末商戦、つまり一番、モノが売れる時期に人を雇用するのは当然の話になりますが、1月になれば売り上げが減るのですから当然のことです。

しかし、今年の場合は、年末商戦が終わってから大量に企業が従業員を解雇してしまい、残った従業員の労働時間が極端に長くなってしまったのです。そこで1月の後半に慌てて企業が雇用を行ったので新規雇用が増えたという帰結が1月の結果でした。

つまり、例年、1月になると極端に売り上げが落ちるのでそれに倣い雇用も減らすのですが、予想以上の売れ行きが良かったので、1月の後半に雇用を増やしたということです。このことから予想されるのはアメリカ経済が好調である、ということになります。


参考:ウォール・ストリート・ジャーナル

上記のグラフは失業保険申請者数の推移で、赤い線は4週平均になります。これをみると年末に失業保険の申請が増えていますが、1月になると急速に失業保険を申し出る人は少なくなっています。つまり、企業は年末商戦を乗り切った後も、人を雇用し続けていることになります。

つまり、新規の雇用が増えるということは、イコールの関係として、失業保険を申請する人が少なくなるとも考えられますので2月の非農業部門の新規雇用は例年と比べて順調になるでしょう。

でも、雇用統計は重要ではない?!

みなさんはFXや株などを取引しているから、この雇用統計という記事をお読みになると思います。むしろ、FXも株もやっていないのに雇用統計の記事を見る人は相当なマニアでしょう(笑)。

その基本中の基本にどのマーケットの教科書には毎月の雇用統計は重要と書いてあると思います。でも、現段階では、雇用統計は全く重要ではない、のです。ウソ? と思う方もいらっしゃると思いますので解説していきましょう。

みなさんは「完全雇用」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
たぶん、一度や二度聞いたことがあると思いますが、意味がわからない方が過半だと思います。この意味は、ほとんどの人が失業していなく、実際に失業している人というのは妊婦さんや障害者の方で、実際に働きたくても働けない人たちだけの状態のことを完全雇用状態というのです。

現在のアメリカは、失業率からみると完全雇用状態であり、街には失業者がいない状態なのです。だったら、新規雇用なんて発生する訳ないじゃないか、と思う方もいらっしゃると思います。でも、みなさんだって、がんばって働いたのですから、お給料あげてもらいたいですよね。だったら、今の会社にいるよりも、ほかの会社に行ったほうがお給料は高いのであれば、転職しますよね。アメリカの現在は完全雇用なのですから、新規の雇用のほとんどが転職によっての新規雇用というのは想像がつくと思います。

つまりこれ以上、アメリカで新規雇用が増えても、失業者が再就職している訳でもなく、転職需要が起こっているのですから、お給料ゼロの人がお給料をもらえる状態とお給料がアップして転職する人の状態の違いです。企業は転職を防ぐために従業員のお給料をあげます。だから、新規雇用よりも、その賃金の上昇を今、マーケットは見ているのです。

その辺の教科書に書いてある、雇用統計の新規雇用数が大事、なんて書いてあると思いますが、現実はその平均賃金の上昇率をマーケットは見ているのです。実際、ここ半年、新規雇用者数にマーケットは反応せずに、平均賃金が上昇したか、下降したかにマーケットは反応しています。

みなさんも新規雇用者数は増加したのに、マーケットは下がってしまった、という経験がこの半年に必ずあると思います。それは見る視点が間違えているだけの話なのです。市場の注目は、新規雇用者数ではなく平均賃金に目が向いているのです。

だから、雇用統計の新規雇用者数などはもう注目の的ではなく、平均賃金や労働参加率にみなさんは注目をしなければいけないのです。

3月雇用統計の平均賃金はある理由によって、本来は、上昇しなくてはいけないのですが、それが伸びないから政府要人や経済学者が悩んでいるのです。かなりアメリカの金利も上昇しましたので平均賃金が上昇する可能性が高いのですが、どうでしょうか? おそらく個人的にはそんなには上昇しないと考えています。

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角野實

元・金融機関営業マン。10年間セールスの道を究め、トップセールスにのぼりつめる。同時期に外国為替証拠金取引(現在のFX)の開発と営業に取り組み、FX投資家としても利益をあげる。現在は投資顧問会社、オーナー、栃木県那須町にてセミリタイア生活中。「人格が相場への影響が甚大であること」を心がけながら、日々作家活動に励んでいる。

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