病院に行く?自分で治す?セルフメディケーション税制がスタート

高橋禎美

2018.02.08.(木)

50代の方々は自分の価値観を大切にする世代です。

多くの50代の方が趣味を楽しんで生き生きとしています。趣味は大きく静と動に分かれますが、身体を動かす「動」の趣味を楽しんでいる方はとても多くいらっしゃいます。

具体的には、ランニング、ウォーキング、登山、水泳やフィットネスジム、ヨガなどが人気の趣味として挙げられています。

趣味を楽しみながら、体力の維持、スタイルの維持を目的に取り組む方も多いようで、これに加えて「若さ」を保つ意識が高い方が多いように思います。50代はますます若くなっているようですね。

このように適度な運動を栄養、休息をとって、健康増進を図る方はとても多いと思います。

持病を持って通院している方や病院にかかるべき症状の場合は別ですが、日ごろから健康を意識している方々は、あまり病院に縁がないのではないでしょうか。

また、日々仕事や家事などで忙しく、なかなか病院にかかることが出来ないという方や診断や処方箋の受取りまでの待ち時間を嫌う方も多いと思います。

私自身、ここ数年はインフルエンザの予防接種と健康診断と半年に一度行くようにしている歯科検診の機会にしか病院に行っていません。人並みに風邪もひきましたが、病院に行くのは、受診までにどれほど待たされるのかわからないので面倒になるのです。

病院に行かなくとも医療費が控除できる新制度がスタート

そんな方々にとって、医療費に関する活用しやすい制度ができました。

2017年にスタートした「セルフメディケーション税制」(以後、新制度という)を知っていますか?医療費控除の特例に当たる新しい税制優遇の制度です。

新制度は、健康増進に努めている人が対象で、1年間に「スイッチOTC医薬品(※注)」を1万2千円超の金額を購入した場合に申告できます。上限を8万8千円として、下限の金額を超えた額に対して税金が還付されます。2018年の申告から適用されます。

(※注 特定の成分を含んだOTC医薬品。要指導医薬品および一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品。)

対象の要件は以下の4つです。

・所得税と住民税を納税している
・予防接種や会社や自治体の健康診断を受診している
・OTC医薬品を1万2千円超購入している
・既存の医療費控除制度を適用しない(新制度との選択制)

既存の医療費控除は1年間で医療費の総額が10万円もしくは、総所得金額によっては所得の5%を超えないと申告が出来ません。これに対して、新制度は1万2千円超から申告が出来るので申告対象となる医療費のハードルがぐっと低くなります。

そして対象になる市販薬は、胃腸薬や頭痛薬、風邪薬、軟膏など日常で使う頻度の高いものも含まれていますので、多くの方にとって身近に利用できる制度だと言えます。

参考:厚生労働省「セルフメディケーション

【この記事を読んだ人におすすめの記事】
2017年からスタート! セルフメディケーション税制とは?

新制度の目的は医療費の削減

国は、「風邪や発熱などの軽度の不調を、市販の医薬品を利用して自ら健康を整える」ことを推奨しています。

国民各自が、まずは適度な運動、栄養管理、アルコールやタバコなどの嗜好品の節制などによって健康を気遣うことが土台になりますが、自己の責任で健康管理に努めること=セルフメディケーションを広く浸透させたいようです。

セルフメディケーションが浸透していくと、市販薬の販売の後押しになることが考えられます。そしてもう一つ、病院での診察にかかる国民医療費を大きく削減する効果が期待できます。国が負担する国民医療費の削減こそが、新制度の大きな目的なのです。

2017年9月に厚生労働省が発表した医療費の動向によれば、日本国の平成28年度の医療費は約41.3兆円です。27年度の41.5兆円より幾分削減されていますが、過去5年間の推移を見れば、2~3%ずつ緩やかに上昇しています。そして今後、高齢化が見込まれる我が国ですので、今でも高い医療費が一層膨らんでいくことは容易に想像できます。

参考:厚生労働省「平成28年度医療費の動向

今回設定された制度は、病院にかかるという選択をせずに自分で市販薬を利用して体調を整えることを選んだ人には、税制優遇を適用させるというものです。

注意点としては、既存の医療費控除と新制度は併用できないことです。選択制となり、どちらか有利な方法での申告になりますので、病院に支払った領収書や薬局、ドラッグストアで購入したレシートはともに保管しておきましょう。

また、新制度は2021年12月31日までの期間限定の特例です。

健康に気を使い、病院に行くことがなかったが、セルフケアのために医療品を購入し体調を整えたという方はぜひ、新制度を活用して確定申告で還付を受けるようにしましょう。

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高橋禎美

ファイナンシャルプランナー/ 一種証券外務員/ パーソナルカラーアドバイザー
大手アパレルメーカーを退職後、FPとして独立。無料相続もやもや相談会を開催中。

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