どうせ支払うならおトクにしたい! 国民年金前納割引制度とは?

浜田裕也

2017.12.27.(水)

様々な事情により、国民年金の保険料を支払うことになってしまう方もいらっしゃいます。そのような方たちからは「どうせ支払うなら出来るだけ有利になるようにしたい」というようなお声を頂くことも多いです。

そこで、今回は国民年金保険料を出来るだけおトクに支払う制度をご紹介いたします。

皆様の中にも、将来国民年金の保険料を支払うことになってしまった場合、ぜひ今回の制度を思い出していただければ幸いです。

国民年金保険料は1カ月あたり16,490円と決して安いとは言えない

日本の公的年金制度では、原則20歳以上60歳未満の人は全員国民年金に加入することになっています。国民年金は働き方や収入によって主に3つの区分に分けられ、自営業の方、20歳以上の学生、失業中の方、無職の方などは国民年金の第1号被保険者という区分になります。

以前『年の差夫婦は要注意! 国民年金3号制度の落とし穴』でお話ししましたが、年の差夫婦でも第1号被保険者になってしまうケースもありましたね。

厚生労働省年金局「平成27年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の第1号被保険者の人数は1668万人とあり、年金加入者全体の約25%、実に4人に1人は第1号被保険者となっています。

第1号被保険者は国民年金の保険料を毎月支払う義務がありますが、1カ月あたりの国民年金保険料は16,490円(2017年度の額)と決して安くはない金額です。

実際の相談現場では「どうせ支払うのなら出来るだけおトクにしたい。何かよい方法はないのか? 」というようなご意見も数多く寄せられています。

少しでもおトクにしたい! そのような方は国民年金保険料の前納割引制度を利用するとよいでしょう。

保険料が安くなる! 国民年金前納割引制度とは?

第1号被保険者の国民年金保険料は、先にまとめて前払いすることで割引を受けられる制度があります。これを国民年金前納割引制度といいます。

前納にはいくつかの種類があり、2年前納、1年前納、6カ月前納があります。まとまったお金を払えば払うほど割引額も大きくなっています。


参考:日本年金機構『国民年金保険料の「2年前納」制度』
日本年金機構『国民年金前納割引制度(口座振替 前納)』
日本年金機構『国民年金前納割引制度(現金払い 前納)』

※金額はすべて2017年度のもの
※割引率は小数第3位以下切捨て

2年前納で口座振替をした場合で比べてみましょう(いずれも2017年度の額)。

毎月納付していくとすると2年間の保険料合計は、(2017年の月額保険料16,490円×12ヶ月)+(2018年の月額保険料16,340円×12カ月)=393,960円。

一方、2年前納をすると保険料は378,320円になり、毎月納付していくよりも15,640円おトクになります。

表を見ると口座振替が一番おトクになりそうですが、クレジットカードの中には保険料を納付するとポイントが還元されるものもありますので、そこを見逃さないようにしましょう。

仮にポイント還元率が1%だった場合、2年前納金額378,320円×1%=3783ポイントになります。2年前納クレジットカードの割引額が14,400円なのでポイントの3783を単純に合わせると、2年前納の口座振替よりもおトクになる計算です。

なお、すべてのクレジットカードでポイントが還元されるわけではありません。お手持ちのクレジットカードで国民年金の保険料を支払ってもポイントが還元されるのか? 還元率は何%なのか? を事前にカード会社に確認するようにしてください。

前納には申込み期限があります。要注意!

前納の申込みは、原則、住所地の年金事務所の国民年金課になります。前納には申込み期限がありますので注意してください。

2年前納と1年前納の場合、申込み期限は2月末日まで。6カ月前納の場合、4月分から9月分までの申込み期限は2月末日まで(現金納付の場合は4月末日まで手続き可能)、10月分から翌年の3月分までの申込み期限は8月末日までとなっています。

申込み期限に関しては、次のようなケースの方もいらっしゃいました。

「会社員であるうちの主人がこの間65歳の誕生日を迎えたので、58歳の妻の私は国民年金の第3号被保険者から外れて第1号被保険者になってしまいました。どうせ国民年金保険料を支払うのなら、より割引額の多い2年前納をしようと夫婦で一緒に手続きに行きました。すると2年前納は今からすぐにはできません、と言われてしまいました。主人の65歳の誕生日が7月だったので、その年の2月末の申込み期限はとっくに過ぎていたからとのことでした…」

なんとも悲しいお話です。

もろもろの事情で申込み期限が過ぎてしまった場合は、次のように相談してみるとよいでしょう。「今からできる最も有利な前納方法を教えてください」と。今から出来るだけ有利に支払いたい、という希望を伝えれば窓口で一番いい前納の方法を説明してもらえます。

前納は最初にまとまったお金が必要になりますが、通常に納付するよりもおトクになります。前納にはいくつかの種類がありますので、ご家庭の事情に合わせて選ぶことができます。

出来るだけ有利に支払いたい、という場合は選択肢の一つとしてご検討いただくとよいと思います。

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浜田裕也

社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー。社会保険労務士会の業務委託で年金相談の実務にも携わるようになり、その相談件数は年間1,000件を超える。複雑な年金制度の解説や具体的な申請の仕方のアドバイスには定評がある。著書に「転職したり、フリーランスだったり、離婚を経験した人は知らないと損する、年金の話」(SB新書 著・監修)、「日本でいちばん簡単な年金の本」(洋泉社 第3章監修)がある。

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