離婚のときに決めておくべき5つのお金

波戸岡光太

2017.12.29.(金)

「あぁ…、私もバツがひとつ付いちゃうのか…。」

 

夫と結婚してから3年。子どももできたし家も買った。

けれど、昨年から夫との口げんかが絶えず、最近は会話をすること自体も苦痛になってきた。

夫は露骨な暴力をふるったり、不倫をしているわけではないけれど、家に帰ってくるといつも不機嫌で、私を見る目も冷たい。。。

残念だけど、これからの人生を想い描いたとき、夫と一緒にいる姿がイメージできない。

離婚をして、子どもと二人で生きていこう。そうAさんは覚悟を決めた。

 

で、離婚の話はよく聞くけれど、いざ自分が離婚するとなると、何をしておけばいいのだろう。
決めておくべきことは何だろう。
とくにお金についての取り決めは?

Aさんの疑問はいろいろと湧き出てきます。

そういうわけで、Aさんは私のオフィスにご相談にいらっしゃいました。

 

まず離婚自体は、婚姻届と同じように、役所にある離婚届に夫婦二人がサインして提出すれば、それで完了してしまいます。

お金のことを取り決めておくのならば、別途、約束しておくことが必要です。

それも口約束ではなく、書面に残すのがよいでしょう。公正証書にできればなおよいです。

そのうえで、解決しておきたいお金の問題は5つあります。

まず1つ目は「財産分与」。二人の間の財産を分け合うことです。

「夫婦が同居している間に築かれた財産は、二人が一緒に築いた財産だから半分ずつに分けましょう」というのが法律の基本的な考え方です。

例えば夫が給料を自分名義の口座に貯めていたとしても、夫が仕事に専念して貯金できたのは妻が家庭を守っていたからだよね、だから二人のものだよという理屈です。

なので、別居時に二人がどれだけの財産を持っているのかを、まずは確かめておく必要があります。

ただし、夫婦であっても、どちらかが相続などで受け取った財産は、夫婦が一緒に築いた財産ではないので、財産分与として分ける対象から外れます。

むずかしいのが自宅不動産です。例えば自宅を購入して夫名義になっている場合、家をどう分けるかという問題がでてきます。

とくに結婚歴が比較的短い夫婦の場合、まだ住宅ローンが残っている場合がほとんどでしょう。

この場合、自宅の時価から残ローンの額を引いた残りの金額がプラスになれば、そのプラス部分が財産分与の対象になるという考え方が一般的です。逆にマイナスとなってしまう場合は、財産分与の対象からは外れます。

2つ目は「養育費」。お子様の生活費です。

夫婦が離婚すれば、その後は他人同士になるので、相手の生活費を渡す法律上の義務はなくなります。

けれど、親子の関係が切れることはありません。離れて暮らす親が、子どもを手元において育てる親側に、毎月必要な子どもの生活費を支払う必要があります。

さて、養育費はいくらが相場なのでしょう。

これは裁判所が用意している算定表を用いると便利です。互いの年収を縦軸と横軸にあてはめて、双方が交わるエリアが養育費の目安になります。

参考:裁判所HP「養育費・婚姻費用算定表」

なお、離婚はまだしていないけれど、子どもを連れて別居を先行させた場合、二人は戸籍上では夫婦ですので、離れて暮らす親は、子の生活費と配偶者の生活費を合わせた「婚姻費用」を支払わなければなりません。(これが3つ目。離婚するまでの話です。)

それから4つ目は「慰謝料」。精神的苦痛に対する損害賠償です。

もっとも、これは常に発生するわけではありません。嫌な思いは誰でもするものですし、離婚自体、気持ちの良いものではありません。それを全て相手のせいだと主張して慰謝料を請求しても認められません。

慰謝料が発生するためには、相手の行為が、不貞や暴言暴力、度を超えたハラスメントなど違法であることが必要です。

最後の5つ目は「年金分割」。二人が各自で年金を払ってきた扱いにすることです。

厚生年金・共済年金で扶養家族に入っている場合は、夫婦の一方が年金を支払ってきました。

それが将来の年金支給の基礎になるわけですが、その年金記録を二人で分けることによって、それぞれが各自で年金を支払ってきたというような扱いにするわけです。

夫婦が共働きで、扶養家族に入っていない場合は、分割の必要はありません。

参考:日本年金機構HP「離婚時の年金分割」

以上、かけ足でしたが、離婚にまつわる5つのお金の説明をしました。

離婚した後、二人はそれぞれの人生を歩んで行きますが、それに伴ってお金という大事な問題も一緒に解決しておきたいですね。

【前回の記事はこちら】
お金を借りる人より、お金を貸した人の方が立場が弱くなる!?

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波戸岡光太

弁護士(アクト法律事務所)。「困っている人を助けたい」-少年時代からの熱い思いを胸に、2007年に弁護士となる。経営者とビジネスパーソンをもりたてるパートナーとして、契約トラブルや債権回収問題の予防・解決を中心に取り組む。
経営者向けコーチングスキルも兼ね備え、依頼者と伴走しつねに最高の解決を目指す。
東京都港区赤坂3-9-18赤坂見附KITAYAMAビル3階
http://www.hatooka.jp

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