実家が「ごみ屋敷」に!?見逃してはいけない6つの危険サイン

村田くみ

2017.10.14.(土)

最近、「離れて暮らす親が心配です」といった声をよく聞きます。夏休みに実家に帰省したとき、お彼岸でご先祖様のお墓参りをしたときなど、いつもと様子がヘンだとささいな異変に気がつくことが多いようです。

だいたいの子どもは大学進学などを機に親元から離れます。たとえ近所で暮らしていても、親子が顔をあわせるのはお盆やお正月、年に2回程度で、「電話がないのは元気な証拠」と思ってしまい、異変に気がつくのが遅れてしまうケースも少なくありません。

片方の親が亡くなった後に注意

特に、子どもの側として最も気をつけておきたい点は、片方の親が亡くなった後。

残された父あるいは母がひとりで、自宅で過ごしているとき、「3度の食事は欠かさずに食べているのか」、「ごみはきちんと出しているのか」、「洋服は着替えているか」、気にかけてあげましょう。

なぜなら今から10年ほど前に、私の母(当時73)も父(享年78)が他界した後、家事を面倒くさがるようになって、それまで毎食手作りの食事を欠かさず作っていたのが、カップラーメンばかり食べるようになったからです。
当時私は母と同居していましたが、仕事で帰宅は遅いので晩ご飯は自宅では滅多に食べません。母は「一人分の食事を作るのは光熱費がかかる」、そうかといって「お弁当を買うのはお金がもったいない」などといいながら、栄養バランスの悪い食事ばかりをとるようになったのです。そのうち、毎日同じポロシャツを着て身のまわりは気にしなくなり、生ごみもたまってきました。

自暴自棄の状態が続いたら「セルフネグレクト」を疑う

「目が悪くなってよく見えない」といいわけをして、掃除も怠るようになり、わたしが掃除やごみ捨てを担当するようになったのもこの頃です。

今振り返ると母自身、自暴自棄の状態が続いていたと思います。そして1年後、父の一周忌の準備をしている前に、急性心不全で倒れてしまいました。2週間ほど意識不明の期間が続いたことから、「今晩が峠」と医師から何度も言われ、一命をとりとめても身体機能が回復せずに、退院してから長い介護が始まりました。

父が亡くなった後、もうすこし母の体調に気を配っていれば、介護が始まるのはもう少し後だったかもしれません。幸いにもわたしが同居していたので、文句をいいながらでも家のなかのごみを片付けていましたが、今、問題になっているのが「セルフネグレクト」。特に配偶者と離別した後、自分への関心も失い、他者とのつながりを避けるようになり孤立するケースです。

近所のひとや家族にも気づかれないうちに「ごみ屋敷」に発展してしまいます。

実は都市部に多い「隠れごみ屋敷」

「ごみ屋敷」の典型例は、一人暮らしの高齢者が住む家で起こります。

庭や敷地の外にごみが占拠して、異臭を放つなどして近所からクレームが寄せられる、といったものですが、最近は近所付き合いが希薄になった都市部や、集合住宅などプライバシーを保つ空間が反対に発見を遅くする「隠れごみ屋敷」が増えているという指摘もあります。

①ごみや食べかすなどが捨てられなくなった
②同じ服を着続けるなど身だしなみに無頓着になった
などの行為は異変のシグナル。

③家の中に引きこもるようになった
④「病院の受診や介護サービスを勧めても『必要ない』と拒否をする
といった状態になったら、放っておかないで地域包括支援センターや主治医に相談してみましょう。

さらに、
⑤金銭管理ができなくなり家賃や公共料金を滞納している
⑥失禁に気がつかない、使用済みの下着をそのままに放置している
という行為が出てきたら、認知症の疑いがあるかもしれません。

ある女性(30代)は賃貸アパートにひとりで住んでいる母(70代)の部屋が「ごみ屋敷」状態になってしまい、原状回復して退去するのに50万円以上かかり、女性が全部立て替えたという話も聞きました。

ごみ出しが不自由になったらサポートしてくれる自治体のサービスもありますので、地域包括支援センターに相談しましょう。そして、介護保険を申請してケアマネージャーやヘルパーなど専門家につなげるなど、専門家の支援を受けるようにしましょう。

また、いざという時のために近所の人とも良好な関係を保っておくことも大事です。(詳しくは『近所力を鍛えておこう』を参考にしてください。)

くれぐれも自分ひとりで解決しようと、背負わないことです。

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村田くみ

ジャーナリスト/ファイナンシャル・プランナー 1995年毎日新聞社入社。「サンデー毎日」所属。2011年よりフリー。08年から母親の介護をしながら、ライター、ファイナンシャル・プランナー(AFP)として週刊誌中心に執筆。おもに介護、社会保障、マネー関連の記事を担当。16年1月一般社団法人介護離職防止対策促進機構(KABS)のアドバイザーに就任。著書に『介護破産』(KADOKAWA)、『書き込み式! 親の入院・介護・なくなった時に備えておく情報ノート』(翔泳社)、『おひとりさま介護』(河出書房新社)など。

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