気持ちを綴る「エンディングノート」で、親の気持ちを知ろう!

高橋禎美

2017.09.06.(水)

エンディングノートは、その存在が広く認知されるようになりました。書店にも並ぶようになり、映画でも題材として取り上げられたり、高齢世代に向けては、セミナーも多く開催されていて、その意義のすばらしさの認識は広がっているようです。

しかし、実際に書いてみた方はまだ少ないのかもしれません。エンディングノートを、死に向かう準備をするもの、終焉をイメージするものとして捉えられる方がまだまだ多いのだと思います。

エンディングノートは、老いた方々が、死後について書くというものではありません。エンディングノートは、これから先の人生をより良く生きるためのものです。
これからやりたいことは何か、過ごしたい場所はどこか、どう過ごしたいのかなど、希望を書いていくものです。

遺言とエンディングノートの役割が混同されているかも!

エンディングノートも遺言も、共にご自分の持ち物の財産の分配について記載することができます。本人の意思がわかっていると、残された家族も何をどうすれば、迷わずに済み、また、余計な争いも防ぐことができるかと思います。

二者の大きな違いは、「遺言」は財産分与に関して法的効力がある一方で、エンディングノートにはその効力は認められていないことです。希望の財産分与に関する記載は「遺言」を残すことをお勧めいたします。

では、何のためにエンディングノートがあるのでしょうか。

遺言は、記載した本人が亡くなった後に、初めて内容を確認するものです。遺言に、存命中の希望を書くことはできません。

エンディングノートは、亡くなった後のことだけを書くのではありません。形式も自由に、これからの生き方、過ごし方について考えや希望を書き記すことができます。

親の気持ちを知るきっかけに

エンディングノートは、これから人生の希望を書くのですが、元気なうちは心からの判断ができるとしても、体調が悪くなったりすると、気持ちが沈んでしまったり、迷惑をかけている気持ちになって本心が言えなくなることもあるようです。

日本人の平均寿命と健康寿命には差があって、平均で10年といわれています。
例えば、身体の調子が悪くなって自分で身の回りのことが出来なくなったとき、どうしたいか。

・離れて暮らしているけれど、将来は子供と同居したい。
・この土地から離れたくないので、この近くで施設に入りたい。

これは元気なうちに聞いておきたいことですね。(参考に『元気なうちに親と話しておきたい介護のこと』の記事もあわせてご覧ください。)

病気になったときのことも大切です。
重病であったとき、余命宣告を本人は告知してほしいのか、黙っていてほしいのか。本人の希望がわかっていないと周りは判断に悩んでしまいます。

これは知り合いのお母さまが病気になった時のことですが、知り合いは「母は告知を希望するだろう」と思い込んでいました。しかし、書き込んでもらっていたエンディングノートを見てみると、がんなどの重い病気の時の告知はして欲しくないと、記載していたそうです。

それを見て、知り合いははっと思ったそうです。「良かった、先に聞いておいて」と。親子でも、やはり別人ですので、心の中を覗いてみることはできません。自分はそうだから、母もきっとそうだろうというのは違うのではないかと思います。

重篤な病状で、意識が無いなど、その時に希望を聞くことができない場面もあるでしょう。
延命措置が必要なときはどうでしょう。介護が必要なときはどうでしょう。

だからこそ、聞いてみなければならないのです。

面と向かってひとつひとつを話合えるのなら、それが理想なのですが、なかなかそれができない、という方は、エンディングノートを使ってみると良いでしょう。

なかなかエンディングノートが書けないという方が、その方の親の命日に、親を思い浮かべながら、晩年にどのような気持ちで過ごしていたのか、本当に思い通りに過ごすことができたのだろうか、と思いを巡らせていたときに、ふと、自分は子供に葬儀や供養のことで悩ませることはしたくないと思い、エンディングノートが書き出せたという話を、聞いたことがありました。

毎年の親の命日や、お誕生日、新年に書いていくことが、広まるといいですね。

50代の自分の人生を、設計してみる

エンディングノートは、50代の皆さんにとっての親世代向けと、限定されたものではありません。

50代になり、人生の折り返し時期にきた今、自分の人生を振り返る。今後の生き方を考えてみる。
10年後、20年後、30年後に何をしていたいか。どこに住みたいか。行きたいところはないか。やってみたいことは?また、老いて体力がなくなったとき、どうしたいのか。どこに居たいのか。

最後まで自分らしく過ごしていくことを考えるきっかけになると思います。
みなさんご自身も一度エンディングノートを開いて、項目ごとに思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。

50代のための定年後設計スクールはこちら

高橋禎美

ファイナンシャルプランナー/ 一種証券外務員/ パーソナルカラーアドバイザー。大手アパレルメーカーを退職後、FPとして独立。無料相続相談会を開催中。

  • リアルながんの治療費はどのくらい? 病気への備えはどうすればいい?

    詳細を見る
  • 投資家に不可欠!2つの「質を高めること」を意識しよう

    詳細を見る
  • 「宇宙人から見れば、地球は買い」~投資信託で成功を掴む3つのポイント~

    詳細を見る

こんな記事も読まれています

考え方 考え方 | 定年後・老後 定年後・老後 | 定年後・老後 定年後・老後

リアルながんの治療費はどのくらい? 病気への備えはどうすればいい?

生活 生活 | 増やし方 増やし方 | 資産運用 資産運用

投資家に不可欠!2つの「質を高めること」を意識しよう

生活 生活 | 増やし方 増やし方 | 資産運用 資産運用

「宇宙人から見れば、地球は買い」~投資信託で成功を掴む3つのポイント~

考え方 考え方 | 定年後・老後 定年後・老後 | 定年後・老後 定年後・老後

お金がない! 65歳まで待っていられない! 老齢年金の繰上げ受給とは?

生活 生活 | 増やし方 増やし方 | 資産運用 資産運用

FXは投機的で悪なのか

増やし方 増やし方 | 資産運用 資産運用

お金の学校の社員がガチで100円投資に挑戦したらこうなった。~第6話~