計算方法も教えます! 50代で生命保険を見直すべき人はこんな人

末永健

2017.08.16.(水)

ズバリ!住宅ローンを支払っている人は、
生命保険を見直してムダな保険料出費を減らせる

住宅ローンを支払っている多くの50代の人は、ローン返済もまだ半ばくらいの頃でしょうか。あるいは、この住宅ローンを早めに繰り上げ返済して、利息支払い分を減額したりいろいろ工夫されている最中かもしれません。

ただ、生命保険に関しては見直しをされたでしょうか?
理想を言えば、住宅ローンを支払い始めたときに生命保険も見直しておくといいのですが、今からでも生命保険にかかる余分な保険料出費を抑えることはできます。
「住宅ローンを組んだのに、なぜ生命保険を減額できるの?むしろ保障額を増額しないと万が一のときが心配……」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、住宅ローンを組んだときには、生命保険の保障額を減額できるタイミングであることがほとんどなのです。

住宅ローンの団体信用生命保険とは?

住宅ローンを組んだとき、ローンの借り入れ残高に対して逓減定期保険である「団体信用生命保険」に加入していることがほとんどです。 (「団体信用生命保険」については『進化を遂げる「団体信用生命保険」の保障内容とは?』をご覧ください。)

「逓減(ていげん)って何?」と思われた方もいらっしゃると思います。
ちょっと難しそうな言葉ですが、逓減とは年数が経つにつれ徐々に保障額が減っていくということです。
ローン残債も年々減っていきます。 それに準じてその相当額の保障も減っていくしくみの保険です。
これはローンの契約者が亡くなったり重度の障害を負って返済が不可能になった場合に、その時点でのローン残債を団体信用生命保険がすべて肩代わりしてくれるというものです。
ただし、遺族に死亡保険金として現金が支払われる保険ではありませんので勘違いなさらないで下さいね。

ですが、その万が一のときに住宅ローンは消えて無くなるわけですから、その住宅ローン契約者に対しての生命保険を見直すことができるかもしれないわけです。
住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)から借り入れされている方は団体信用生命保険に加入するかどうかはご自分で選択する「任意加入」になっています。しかし9割以上の方はたいてい加入されています。

一方、民間金融機関、つまり銀行などで住宅ローンを組むときは団体信用生命保険には強制的に契約者に加入を義務づけています。
この団体信用生命保険の保険料というのは住宅ローンに上乗せしてあるため、保険料を支払っている感覚は無いと思いますが、加入されていれば住宅ローンと一緒に支払っていることになります。

生命保険を見直すときは他人に頼まず
自分で見直しすることが大切

まずは団体信用生命保険に加入しているかどうかを借り入れ先に確認してみましょう。
加入していることが確認できたら、生命保険の死亡保障額を減額できないかどうか見直すといいでしょう。
ただし、夫婦で共有名義にしている方、つまりローンを二人で分けている方は片方の方が亡くなっても、もう片方の方のローンは残るのでその点は注意が必要です。
生命保険の保障額を見直すときの注意点としては……

1.保険を売っている人、保険代理店などに見直しを依頼しない
2.保険会社のホームページにある「必要保障額計算ソフト」を使って計算しない

この2点を守りましょう。
なぜなら、両者とも保険を売っている人が提供するサービスだからです。
住宅ローンを組んだときに「ご主人に万が一のことがあったらローン返済が大変ですね!保険を見直して強化しましょう!」なんて保険セールスマンに言われて生命保険の保障額を増額した覚えのある方は、この2点を守ることが大切だとピン!とくると思います。
めんどうでも自分で計算して見直しましょう。

どうやって自分で生命保険を見直せばいいのか?

見直し方としては必要保障額(万が一のときに足りないお金)を把握することですが、その計算の際に住宅ローンの残債分を含めないで計算することです。
必要保障額の計算方法はさまざまな書籍やインターネットサイトでも知ることができますが、ここでは概要を簡単に記しておきます。

※夫が住宅ローンの契約者(住宅ローンを支払っている)の場合

まず「【イ】万が一のときに残された家族が必要なお金」を算出します。
——————————————————
1.残された家族の生活費
2.子どもの教育費
3.住宅関連費(住宅ローン残債を省いた固定資産税・維持費等)
4.生命保険契約者の葬儀費用
——————————————————
この4点を合計した金額を出します。

次に「【ロ】万が一のときにもらえるお金」を算出します。
——————————————————
1.遺族基礎年金
2.遺族厚生年金
3.妻の老後の年金
4.会社員の妻であれば中高齢寡婦加算
5.会社からの死亡退職金・弔慰金
6.妻が働いていれば現在からの将来見込み収入
7.所有資産
——————————————————
この7点からあてはまる項目だけを合計した金額を算出します。

そして【ロ】の合計額から【イ】の合計額を引いて、マイナスで算出された額が生命保険で準備したい必要保障額になります。
【イ】の3で住宅ローン残債を省いていますので、これで余分な必要保障額が算出されないというわけです。
各項目はすべて現時点からの金額で計算してください。

年金関係はねんきん定期便で確認できますが、日本年金機構のホームページ(http://www.nenkin.go.jp/)で利用登録すれば確認することができます。

多少骨は折れますが、たとえば現在50歳の保険契約者が65歳まで加入している生命保険の月額保険料を1万円減額できたと仮定しますと180万円も支払保険料が減額でき、その余ったお金は老後のための貯蓄や投資に回せるので節約効果はとても大きいのです。
住宅ローンを支払っている段階の方にはぜひチャレンジしていただきたいと思います。

 

末永健

家計の学校S.H.E代表。2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP認定者。主婦層を中心に、家計の管理・節約と保険の見直し方・選択法の情報発信に特化した完全独立系ファイナンシャルプランナー。【A-LIP式必要保障額計算メソッド®(商標登録)】を考案。保険商品を販売しないFPとして、ネット上のみで真の情報を配信する異色のFP。著書に「書けばわかる!わが家にピッタリな保険の選び方」(翔泳社)がある。

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